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農地に家を建てる場合の注意点

2025.9.21

コロナ前に比べて建築費が30%以上値上がりした上、まだ値上げが続く建築資材のことを考えると、実家に使える土地がある方は、それを活用するという選択肢も現実的になってきているのではないでしょうか。
土地を買わなくていいとなれば、現在の土地価格からすると2000万円前後、家づくりのコストを抑えることが出来ますからね。

とはいえ、それはそのまま土地が使える場合だけに限られ、実際のところは古い家が建っていてそれを取り壊してそこに家を建てるとか、農地の一部を造成してそこに家を建てるのいずれかであることが多いです。
そうなれば、その状況に応じてそれなりに費用が必要になってきます。
というわけで今回は、後者である農地を造成して家を建てる場合について、詳しくお伝えしていきたいと思います。

農地ならではの注意点をお伝えした後に費用面について言及していきますので、農地を活用しようかとお考えの方は最後までお付き合いください。

 

✔️まずは地域を把握する

農地を活用するにあたりまず調べていただきたいことが、その場所が「市街化調整区域」なのかどうかです。
市街化調整区域という地域は、農業を推進する地域なので、農地を宅地に変えるのがとても難しいからです。そのため、まずはここを親御さんからお聞きするか、市役所に行って確認していただければと思います。

そして、その調査時に同時に調べていただきたいことが、その地域が「農業振興地域」に含まれていないかどうかということです。農業振興地域に含まれていると、農地転用(農地を宅地に変える申請)をする前に、この地域から外してもらう申請をしないといけない上、その申請は年に2回しかありません。しかも申請が受理されるまで半年もかかります。

要するにすぐに建てたいと思っても、この地域だった場合、造成工事をするまでに最短でも8ヶ月、時期によったら1年以上かかってしまいます。農地を利用するという選択肢が少なからずあるのであれば、事前に調べておいていただくことをオススメしているというわけです。

 

✔️宅地にするのにどれくらいかかるのか?

続いて費用面についてお伝えしていきます。

まず農地転用の申請をするのに、行政書士さん・土地家屋調査士さんに支払う費用が必要となるのですが(測量・分筆して申請を出すからです)測量が絡んでくるとなると、50万円ぐらいは計上しておいた方がいいと思います。

続いて必要となるのが、水道の引込工事と水道加入金の支払いです。
農地は前の道から水道を引き込んでいないからです。
そのため、これにも合計50万円ぐらいは計上しておいた方がいいかと思うし、前の道に水道がない場合は、もっと遠いところから水道を引いてこないといけません。
ですが、そうなると100万円単位で追加工事が必要になる可能性があるので、これに関しても市役所であらかじめ調査しておいた方がいいと思います。

続いて、本題の造成費用です。
造成に関しては、境界につくる擁壁基礎工事費用、表面の土を取り除いて処分する費用、そして新たに土を入れる費用、この3つが必要となります。
ですが、ざっとこの3つを合計すると少なくとも造成する坪数×3万円は、基礎の深さや土の処分料によっては坪数×4万円近く必要となってくるとお考えいただいた方がいいかと思います。

造成する面積が60坪だとしたら180〜240万円、
造成する面積が80坪だとしたら240万円〜320万円、
必要となってくるという感じです。
これらの合計が、農地に家を建てる場合に必要となってくる費用です。

 

というわけなので、これから家を建てるにあたり実家の田んぼや畑を使わせてもらおうかなとお考えの方は、この記事を参考にしていただけばと思います。

この他、排水問題などもありますが、細かいことは案件ごとにアドバイスさせていただきますので、いつでもご相談いただければと思います。

 

藤井

カテゴリ:blog, お家づくり
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