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2025.4.11
インフレによって建築費はもちろん、外構工事費も土地造成費も値上がりしたことから、土地から買って家を建てるとなれば、数年前よりも最低でも500万円、場合によったら1000万円ほど家づくりの予算が上がってしまいました。
ですので、個人的には費用を大幅に浮かせるために実家に土地があるのならそこを積極的に活用することをオススメしているのですが、もちろん、この場合でも何もせずに(お金をかけずに)そのまま建てることが出来る土地もあれば、そうじゃない土地もあります。
古い家が建っている場合は、解体工事が必要になるし、田んぼや畑に建てるのであれば造成工事が必要になる場合もあります。
そんなわけで今回は、手続き的にも費用的にも若干ややこしい田んぼや畑などの「農地」に家を建てる場合についてお伝えしていきたいと思います。
実家が所有している農地に家を建てる場合、「市街化区域」なのか「市街化調整区域」なのかによって手続きやかかる時間が変わってきます。
「市街化区域」は基本的に宅地を推奨している地域なので、簡単に宅地にすることが出来るのに対し、(事後報告の許可で大丈夫です)「市街化調整区域」は基本的に農地を推奨している地域なので、市街化区域のように簡単に宅地にすることが出来ないからです。(事前に届出をして許可をもらう必要があります。)
もし「市街化調整区域」か、「市街化区域」でも「市街化調整区域」のどちらでもない地域だった場合、次に確認していただきたいのは「農業振興地域」に該当しているかどうかということです。
仮に、農業振興地域に該当している場合、農地を宅地に変える「農地転用」という申請をする前に、農業振興地域から外してもらう「除外申請」をしないといけません。
また、「除外申請」はタイミングが年に2回しかないため、注意が必要です。
ですので、農地に家を建てようと思った時には、ここまでのことを親御さんに確認してみてください。
市街化区域の場合、農業振興地域であることもないし、農地転用は1ヶ月もあれば出来ることが多いです。
しかし、市街化調整区域やそれ以外の地域の場合は、農地転用に2ヶ月ほどかかる場合があります。
また、農業振興地域に該当している場合、申請のタイミングが年に2回しかないため、早くても8ヶ月、タイミングが悪い場合、1年以上も農地転用が終わるまで時間がかかってしまう可能性もあります。
要は、地域によって家を建て始めるまでの時間がかなり変わってくるというわけです。
続いて費用についてですが、農地を宅地にする場合、以下の費用がかかってきます。
・農地転用費用
・開発許可費用(必要な場合)
・測量分筆費用(農地の一部を宅地にする場合)
・境界擁壁工事(田んぼや隣地との境の壁)
・水道引き込み工事
・水道加入金(市役所に払うお金)
・排水負担金(農業用水路に排水をするため)
・土工事(土のすきとりと追い足し)
もちろん、これらは土地の状況によって違ってくるので一概には言えないのですが、単純な目安としては「宅地にする坪数×5万円」くらいは最低でも予算に組み込んでくといいのでは?と思っています。
宅地にする広さを60坪にするのなら最低でも300万円ぐらい、宅地にする広さを70坪にするのなら最低でも350万円ぐらいという感じです。
(ここから大幅に予算が狂うとしたら水道が前面道路に通ってない場合です。その場合+100万円は必要な場合があります。)
思っていたよりも安かったでしょうか?それとも、逆に高かったでしょうか?
いずれにせよ、こっちの方が土地を買うよりも断然予算が抑えられそうなのだとしたら、この選択肢を現実的に考えていただいてもいいのではないでしょうか。
もっとも、安いからといって土地面積を広げ過ぎると、外構工事に余分なコストがかかるし、今後払い続けることになる固定資産税も高くなってしまうので、面積の加減をよく考えないといけません。
というわけで、ざっくりとした説明ですが家づくりをする上でこの選択肢も考えられる場合、今回の記事を参考にしてみてください。
藤井